老後のお金、大丈夫?
人生と幸福とお金

老後を見すえた資金の計画をしよう

定年

定年の定義を調べてみると、「企業の従業員が一定の年齢に達したことを理由として退職、雇用契約を終了させること」だそうです。今まで「60歳になったら定年」ということは、ごく当たり前の社会通念でした。定年がやってくると、花束をもらって見送りの人に手を振りながら会社を後にする、という光景があたりまえでした。見送る側はあまり感慨もなく、何となくほっとした顔をしていましたが。


平成25年4月1日から「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の改正が行われました。それまで再雇用については各社で独自の基準を定めることができていたのですが、定年を迎えた社員については、「原則、希望する者には65歳まで雇用を継続しなければいけない」と変わりました。この法律は、急速な高齢化に対応して高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは働き続けられるための、環境の整備を目的として施行されたものです。


なぜここにきて定年に関する法律が変えられたのでしょうか。 年金財源が逼迫しているために支給開始年齢を60歳から65歳に段階的に引き上げる必要が出てきたのだ、というのが定説です。確かに60歳で定年とすると支給開始までは無給となり、生活に支障をきたす恐れがあります。しかし、年金制度の運用に失敗した国が、定年を延長することで会社に面倒をみさせる、負担を民間企業におしつけたのだという見方もあります。


「定年」は国によってその法律も違い、アメリカなどでは、年齢を理由とした就職差別は連邦法によって禁じられています。就職活動用の履歴書には応募者の年齢や生年月日を記入する欄はないのだそうです。「定年」がないのですね。労働者本人の希望による退職や明確な能力的な理由による解雇でない限りは、生涯にわたって働き続けることができるのだそうですよ。また退職金制度は日本独自のもので、日本以外のほとんどの国の企業では、退職金が無いのが普通のようです。


この退職金の時期は、各金融機関にとってはまたとない預金獲得のチャンスです。各社、いかにもお得に見えるキャンペーンで競い合います。しかし退職してしまったら、当たり前のことですが、今までのようにお金が入ってくることはなくなるのです。定年後の投資は失敗が許されないということです。派手なキャンペーン合戦に惑わされて金融機関の言うままに退職金をそっくり運用にまわすことは、大変危険なことです。


また定年を迎えても「自分はまだまだ働けるし、自分のキャリアをもってすれば、仕事口なんかすぐに見つかる」と思い込んでいる人が、意外に多いといいます。なかなかそうした〝現役時代のままのプライドの高さ“を捨てることができず、老後の人生設計を邪魔し、大きく狂わせてしまうことがあるとのこと。またこれでやっと自由になった、とばかりに海外旅行だ、家の建て替えだ、と待ってましたとばかりに支出が急増しがちです。定年後には改めて今後の生活設計を見直す必要があります。生活のレベルを落とす覚悟も必要かもしれません。気を引き締めていかなければ老後の生活に立ち向かえないということです。